102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.586
あなたの人生が変わる新栄養素講義
健康・長寿に不可欠な「第6の栄養素」食物繊維①
体内には吸収されないため「5大栄養素」に入れなかった食物繊維が、今、健康長寿、腸内環境を整えるために不可欠と注目されています。
でも、体に入らない食物繊維がどのように健康をもたらすのか不思議ですよね。
今回から、日本食物繊維学会副理事長、静岡大学農学部応用生命科学科西村直道教授が示す
最新研究に基づく知見を紹介しながら解説していきます。
食物繊維とは、人間の消化酵素では消化されないか、消化されにくい食べ物に含まれている成分のことです。
糖質や脂質、たんぱく質、アミノ酸、ビタミン、ミネラルのように腸で吸収されて栄養として使うことはできません。
そのため、体に絶対に必要な栄養素ではないのですが、最近では健康維持に深く関わることが明らかになってきたので、「第6の栄養素」とも言われています。
食物繊維や野菜の摂取量を増やそうという流れがあるのは、国内外の研究から、食物繊維を多く摂っている人ほど、がんや脳卒中、心筋梗塞、糖尿病といった生活習慣病の発症や死亡が少ないことが明らかになっているからです。
では、体内に入らない食物繊維がどのように私たちの健康に影響を与えているのだろうか、考えてみると不思議なことです。
実は、体内に入らない食物繊維が具体的にどのような働きによって健康効果をもたらしているかはいまだ完全には解明されていないのです。
えっ!と思うでしょう。
でも、現時点では、食物繊維を食べることで増える腸内細菌の代謝物や、菌の菌体成分などが健康に影響を与えるのではないかと推測されているのです。
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