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102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.582

血糖値が気になる方へ、食後血糖値が上がりにくい食べ方③


◇メタボの人と、やせの人の糖尿病


HbA1cや血糖の数値だけでなく、腹囲の変化も考慮しましょう。

腹囲が大きいと、通常内臓脂肪が増えていることを示します。

この内臓脂肪から分泌される生理活性物質(アディポカイン)が、血圧や血糖値の上昇といった代謝異常を引き起こす可能性があり、それがメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)またはメタボとして知られる状態です。


メタボの腹囲の基準は、男性で85cm以上、女性で90cm以上です。

まず、この基準を超えているかどうかで、2つのグループに分けます。

そしてHbA1cの数値に基づいて、それぞれを3つのグループに分類します。

こうして、以下の6つのカテゴリに分けることができます。

今回の参加者は全員高血糖なので、HbA1cが5.5%以下のAとDのカテゴリには該当しません。


A.腹囲が大きく、HbA1cが5.5%以下(正常)

 B. 腹囲が大きく、HbA1cが5.6~6.4%(高め)

C. 腹囲が大きく、HbA1cが6.5%以上(糖尿病レベル)

D. 腹囲が小さく、HbA1cが5.5%以下(正常)

E. 腹囲が小さく、HbA1cが5.6~6.4%(高め)

F. 腹囲が小さく、HbA1cが6.5%以上(糖尿病レベル)


腹囲が大きく、かつHbA1cが5.6~6.4%のBのグループは、インスリン抵抗性が高いと考えられます。

つまり、すい臓からのインスリンが効果的に作用せず、追加のインスリンが必要な状態です。これが続くと、すい臓のβ細胞が疲弊する可能性があり、その結果、HbA1cが6.5%以上になるCのカテゴリに進むことがあります。


この段階では、糖尿病の発症が否定できなくなります。

これは欧米人によく見られる「メタボによる糖尿病」のタイプです。


一方で、腹囲が小さく、HbA1cが5.5~6.4%のEのグループは、インスリンの分泌が不十分であったり、インスリンに対する反応が低下していたりする可能性があります。


6.5%以上のFのグループでは、インスリンの分泌量や反応がさらに低下しており、高血糖状態が持続している可能性があります。

これは、日本人によく見られる「非肥満の糖尿病」のタイプです。


腹囲が基準を超えていなくても、体重が増加するとインスリン作用不足が起こりやすくなります。

やせていた人が1kg程度太るだけでも、HbA1cが上昇することがあります。


以前に述べたように、我々の研究でも「20歳の時点から10kg以上体重が増える」という体重増加が、糖尿病の発症リスクを高めることが示されています。




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