102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.572
健康的な飲酒のコツ、お酒と上手につき合うためのポイント⑤
◇お酒は飲み続ければ強くなるっていうのは本当??
飲み続けることで酒に強くなる、という表現は、一部の人々の間で広く信じられてきていますし、友人先輩から盛んに言われてきたことでしょう。
たしかに、昔は1杯飲むと赤くなっていたのに、今は2は飲んでも大丈夫になったという体験もされているでしょうね。
では、本当に強くなっているのでしょうか。
でも、これは間違いなんです。
本当のところは、「お酒の耐性は徐々に高まる」と言った方が適切かもしれません。
私たちがアルコールを摂取すると、まず胃や小腸で吸収されます。
その後、主に肝臓でアルコールは分解され、発がん性のアセトアルデヒドに変換されます。
さらに、アセトアルデヒドは分解されて無害な酢酸になります。
アルコールを摂取すると顔が赤くなり、アルコールに弱いと感じる人は、遺伝的にアセトアルデヒドの分解が遅れている可能性があります。
アルコールに弱い人が継続して摂取すると、別の代謝経路であるMEOS(ミクロゾーム・エタノール酸化酵素系)が活性化し、アルコールに対する耐性が向上します。
しかし、アルコールを摂取しない期間が1〜2週間続くと、元のアルコールに弱い状態に戻ると言われています。
私は以前は毎日お酒をたしなんでいましたが、お酒は1滴でも脳によくないという記事を読んでから、飲酒日を週一と決めました。
そしたら、みるみるお酒の量が減ってきました。
飲めなかった頃のレベルに戻ってしまった感じです。
アルコールを摂取するとMEOS(ミクロゾーム・エタノール酸化酵素系)の活性が増し、自分がアルコールに強くなったかのように感じるかもしれませんが、実際には飲んでいるとMEOSの酵素がアルコールの分解に使われるようになるので、あたかも自分がお酒に強くなったかのように感じるのです。
でも、元からお酒を飲める人とは根本的に異なります。
遺伝的な差異があるため、本質的に異なるのです。
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