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102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.570

健康的な飲酒のコツ、お酒と上手につき合うためのポイント③

◇飲酒量の上限の目安を考える:お酒の強さと健康への影響


飲酒による肝臓疾患の発症プロセスは、次のように説明できます。


まず、体内ではアルコールの代謝が主に肝臓で行われます。

アルコールを分解する過程で、肝臓はアセトアルデヒドという有害な物質を生成します。


このアセトアルデヒドが肝臓細胞にダメージを与え、炎症を引き起こします。

また、アルコールの代謝にはNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が必要とされるため、その消費によって細胞内の酸化還元バランスが乱れ、細胞にストレスがかかります。


飲酒が継続すると、肝臓はアセトアルデヒドを分解するためのエネルギーを供給するために脂肪の代謝を抑制します。


その結果、肝臓細胞内に脂肪が蓄積し、脂肪肝という状態が生じます。脂肪肝は初期の段階であり、肝臓がまだ部分的に正常な機能を果たしていますが、飲酒を続けると炎症が進行し、肝臓細胞が傷つき、線維化(繊維組織が増殖する)が進行します。


線維化が進むと、肝臓の組織が硬くなり、正常な機能が失われる肝硬変が発生します。





肝硬変は重篤な状態であり、合併症として出血や腹水(腹部に液体が溜まる状態)、肝性脳症(肝臓からの毒素が脳に影響を与える状態)などが生じる可能性があります。


最終的に、長期間の慢性的な飲酒は肝癌や肝不全といった深刻な合併症を引き起こすリスクを高めます。これらの疾患は治療が難しく、しばしば命に関わる重篤な状態に至ります。

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