102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.556
あなたは大丈夫? 加齢とともに低下する噛む力、飲み込む力⑥
◇ 噛む力と飲み込む力の維持・改善に食前トレーニングが有効
噛む力と飲み込む力は、人間が生きていく上で不可欠な「食べる」という行為の土台となるものです。
一生好きなものをおいしく食べ続けるためにも、そして栄養をきちんと消化・吸収するためにも、この2つの力を維持することは極めて重要なのです。
しかし、第1回で紹介した通り、噛む力と飲み込む力は、中年期から徐々に衰え始めます。
病気、事故の後遺症、歯の減少、病気やけがによる安静など、さまざまな要因でも低下してしまう。
そして、これらの力が低下すると、栄養不足や食欲の低下、体力の低下、コミュニティにおける孤立といった弊害が起こり得るのです。
先に紹介した、噛む力と飲み込む力の低下を示すチェック項目に、あなたはいくつ当てはまっていましたか。
多く当てはまると不安になるかもしれないが、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医歯学専攻老化制御学講座摂食嚥下リハビリテーション学分野の戸原玄教授は氏は、「噛む力と飲み込む力はセルフケアによって維持・改善ができます」と語っています。
飲み込む力を鍛えるには、喉を使った運動はもちろん、全身を使った運動も有効です。
猫背だと飲み込む力が弱い傾向にあるため、全身を使った運動を行って姿勢を正すことが、飲み込む力の維持・改善につながるという。
ここでは、戸原教授が伝える飲み込む力を鍛える3つの運動を紹介します。
いずれも、2~3週間ほど続けると効果が現れる傾向だという。
特に、食前に行うのがおすすめだとのこと。
一つ一つの詳細は次回から説明していきます。
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