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102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.553

あなたは大丈夫? 加齢とともに低下する噛む力、飲み込む力③

◇栄養をしっかり吸収するための咀嚼と嚥下


何でも噛んで食べられることと、その人の栄養状態は比例することが分かっています。

消化効率の観点から考えても、噛む力と飲み込む力は問えも大切です。

消化効率とは栄養の吸収率のことですが。消化効率を高める上で、特にポイントとなるのは

噛む力です。


では、食べ物をよく噛むと栄養の吸収率が高まるというのは、具体的にどういう仕組みなのだろうか。口、胃、小腸の3段階で解説していきます。


 まずは口の中の消化作用。口の中では、食べ物を歯で噛んで細かくすると同時に、唾液中に含まれる消化酵素(主にアミラーゼ)により分解が始まります。

アミラーゼは、ご飯やパンなどの炭水化物に多く含まれるデンプンを麦芽糖に分解する働きを持つ。

また、噛んで食べ物を細かくすることで、食べ物の表面積を増やし、そして、飲み込むことになる。

 

次が、胃での消化作用です。

表面積の増えた食べ物が胃に入ることで、胃の消化酵素(主にペプシン)がより効率的に作用し、胃酸の分泌で食べ物がより消化されやすくなる。

ペプシンは、大きいたんぱく質を小さいたんぱく質に分解する働きを持つ酵素。口の中であまり食べ物を細かく分解できないと、ペプシンの働きが低下し、腸内の悪玉菌の増殖などにつながってしまう。

 胃で消化された食べ物は、さらに十二指腸、小腸へと送られる。十二指腸では、膵臓(すいぞう)から分泌される膵液中の消化酵素(主にアミラーゼ、トリプシン)によって、さらにデンプンとたんぱく質へと分解される。


 最後が、小腸での消化・吸収作用です。

胃酸とペプシンにより消化しやすくなった食べ物は、小腸の消化酵素(主にマルターゼやペプチダーゼ)によってさらに細かく分解される。

マルターゼは、麦芽糖を2分子のブドウ糖に分解する働きを持つ。

ペプチダーゼは、胃で小さくしたたんぱく質をアミノ酸に分解する働きを持つ。

こうして分解された食べ物の栄養は、主に小腸の内壁によって吸収される。吸収後は、毛細血管に入り、全身に運ばれることに。


 こうしてみると、脂質の分解はどうするのだろう、と思うかもしれない。

脂質は、炭水化物やたんぱく質の消化と比べると異質で複雑です。

脂質は口と胃では消化されない。

胆のうから分泌される胆汁と膵臓から分泌される膵液中の消化酵素(リパーゼ)の働きにより、脂質は乳化し、脂肪酸とモノグリセリドに分解される。

分解された形で小腸に入り、吸収される。

吸収後は、脂肪酸とモノグリセリドはたんぱく質と結合してカイロミクロンというリポタンパク質になり、リンパ管に入って全身に運ばれる。そのため、脂質の消化は炭水化物とたんぱく質より時間がかかるとされるのです。




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