102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.540
「体に良い食」も、過ぎたるは、なお及ばざるがごとし①
今回から、シリーズで生活習慣病を予防し、102歳を動けるからだでらくらく生きるために知っておきたいこととして、「正しい食事法」た「それぞれの食品の摂取目安量」などをお伝えしていきます。
◇食べてはいけないものはない!?
まず、ぜひ知っていただきたいことは「食べてはいけないものなんてない」ということです。
これは、大阪大学大学院で生活習慣病予防の研究をされている野口緑特任准教授の言です。
私もまったく同感です!!
原則から考えれば、砂糖だって、脂肪だって、アルコールだって、
決してとってはいけないわけではありませんよね。
ではなぜいけないとされるのか、実は問題となるのはずばり「量」なのです。
多くの食品は体に有用な栄養素を含んでいます。
でも、とり過ぎると良くない成分もあるということにつきます。
例えば、塩分をとり過ぎると循環血液量を増やすなどして血圧が上がりますし、糖分をとり過ぎるとインスリンによる血糖コントロールが追い付かず、血糖が上がります。
また、コレステロールや飽和脂肪酸をとり過ぎると、LDLコレステロールが上がります。
すべて体の道理で、原則です。
でも、食事の際にコレステロールが多いものを食べたからといって、すぐに高コレステロール血症になるわけではありません。
私たちの体には、いろいろな食事からとった栄養素を、肝臓で必要な形につくり替えるなどして全身の細胞に送り届け、体に不要なものは捨て、余った大切なものは備蓄しておくという仕組みが備わっており、絶えず血液中に過不足が生じないよう調整しているからです。
その仕組みについては私のGROWTH健康づくり協会の「脳と食の講座」で詳しく解説してきたところです。
この、体の内部環境を一定のバランスに保つ「ホメオスタシス(恒常性)」という機能によって、
体に良くないものを食べても何とかバランスを保ってくれているのです。
しかし、偏った生活習慣を続けたり、加齢によって徐々にその機能は低下していきます。
例えば糖が多いものばかり食べ続けていると、インスリン(血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪細胞に運び、血糖値を下げるホルモン)がどんどん分泌され、結果としてインスリンをつくる膵臓(すいぞう)のβ(ベータ)細胞が疲れて機能が低下し、やがては糖尿病になってしまいます。
健診データは、病気の有無だけでなく、そういう偏った生活習慣の結果によって生じた血液中のさまざまな物質量の変化を数字で表してくれています。
糖分の多いものをとり続けて、ついに糖を処理できなくなってくると、血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が上がってきます。
HbA1cは、最近1~3カ月間の血糖値を反映する指標で、基準値は5.5%以下で、それを超えると「高血糖」とされてます。6.5%以上になると糖尿病の可能性が高く、また、毎晩、多量飲酒が続くと肝細胞が傷んで、肝機能検査の数値が上昇してきます。
つまり健診結果は、「データに表れるほど自分の生活習慣が偏っているかどうか」をチェックするための貴重な情報なのです。
私自身は37歳から80歳の現在まで、毎年の健康診断の結果(70歳代以降は年2回)はすべてパソコンにデータとして保存し、一覧になっております。
私の場合は体重が一定値を超えると、血糖値や脂質の数値が上がってきますので、体重管理で健康を保っています。
つまり、健康診断の結果は単に「病気があるかないか」だけではないのです。
毎月開催しているオンラインクラブセミナー(会員・一般対象)「102歳動けるからだでらくらく生きる脳科学的健康講座」の中でも繰り返し伝えてきているところです。
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