102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.513
- 竹内久米司
- 2023年1月27日
- 読了時間: 2分
ビタミンCは風邪や老化防止に効く? 効かない?
最新研究から分かってきたこと! ③
◇ビタミンCは風邪に効果あるか? ないか?
ビタミンCといえば「風邪予防にいい成分」と思っている人も多いのではないでしょうか。
私もそう考えていた一人でした。
「風邪にビタミンCは効くか?」は長年にわたり専門家の間で意見が分かれきました。
しかし、2013年、国際的な医療評価プロジェクトであるコクラン共同計画が、「風邪予防にビタミンCは効果なし」というレビュー(Cochrane Database Syst Rev. 2013 Jan 31;2013(1):CD000980.)を報告したことでひとまず片がついた形になりました。
このレビューは、日常的にビタミンCサプリメントを摂取している計1万1306人を対象にした29件の調査を解析したもので、風邪を引いた場合の罹患期間の短縮や重症度の低下には差が見られたものの、ビタミンCサプリメントをとっていても風邪を引きにくいという結論には達しなかったのです。
ここ数年のコロナ禍でも、感染予防にビタミンCがいいという噂もあったようですが、一般的な風邪も、インフルエンザや新型コロナも、ビタミンC摂取で感染が防げるという科学的データは見当たりません。
ただし、感染症とビタミンCが全く関係がないというわけではないのです。
マラソン走者やスキーヤーなどのアスリートの場合は、ビタミンCサプリメントをとることで風邪の発症リスクが半分に低下したと報告されています。
日常的にトレーニングで肉体的ストレスにさらされているアスリートはビタミンC消費が著しく、体内のビタミンC不足がたびたび起こることで風邪を引きやすくなっていた可能性が考えられます。
ビタミンCは、皮膚や粘膜の維持にも不可欠のため、不足するとウイルスが体内に入りやすくなる可能性があります。
多くとったからといって感染が防げるわけではなくても、不足は感染リスクを高めるということは覚えておくといいと思います。

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