102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.445
脳はアルコールを欲しがる? この不思議な相性!③
◇酔うと自制心がなくなるのは、前頭葉に影響が出るから
それでは、アルコールが脳に到達すると、脳にはどのような影響があるのだろうか。
アルコールによる影響が出やすいのは、脳の中でも前頭葉、小脳、海馬の3部位です。
このうち、最初に影響を受けるのは前頭葉です。
前頭葉は理性を司っている部位で、お酒が進むと、日ごろ理性でこり固まった前頭葉が解放されていくわけです。
もし脳自体がアルコールを欲しているのであれば、脳は実は前頭葉を解放したいのではないか、なんて思ってしまいます。
最初にアルコールの影響を受けるのが前頭葉と聞くと、つい飲み過ぎてしまうのも合点がいく。
「これ以上飲んだらよくない」という自制心がなくなり、酒を大量に飲んでしまうのである。
前頭葉に続いて、記憶を司る海馬、運動機能を司る小脳の順番にアルコールの影響を受けます。
飲み過ぎて記憶がなくなると不安になりますが、記憶がなくなるのは海馬が一時的にお休みしているだけです。
つまりアルコールによる記憶喪失は一時的で、時間がたてば元に戻ります。筋肉痛みたいなものです。
働き者の脳だって、たまには休みたい。思い切り解放され、リラックスもしたいだろう。
脳はそんな理由からアルコールを欲しているのではないか、と勝手に思ったりしてます。
アルコールを飲むと、快楽を司る脳内ホルモンであるドーパミンが多量に分泌され、リラックスしたときに出る脳波のアルファ波が多く出ます。
だから、適度に酔っぱらうと気持ちがいいし、疲れも取れる。
これは脳にとっても心地よい状態なのかもしれません。
そう考えると、脳がアルコールを欲しているというのは本当かもしれない、と思えてきます。
人間は進化の過程でアルコールの分解能力まで備えたのですから、アルコールは人間、とりわけ脳にとって、好ましいものなのではないか、とひとりの酒好きとしては思いたくなります。
赤ちょうちんを見ると酒が飲みたくなるのも、天気がいいとビールが恋しくなるのも、全て意味があるように思えてきます。
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