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脳科学的栄養学No.1474

  • 3月25日
  • 読了時間: 4分

脳パフォーマンスは“眠り”で決まる!自分だけの快眠リズムの見つけ⑯

 ◇のどを内側から支える──OSA治療の第一選択「CPAP」


中等症〜重症の睡眠時無呼吸症候群(OSA)と診断された場合、最初に検討される治療が「CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)」だ。


就寝時に鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道がつぶれないように内側からそっと支える仕組みである。

装置はハンドバッグほどの大きさで、旅行や出張にも持ち運べる。


AHIが20以上で保険適用となり、レンタルの場合は診察料を含めても自己負担は月およそ4500円ほど。1〜3カ月に一度の通院が必要だ。

購入すると20万〜40万円ほどだが、海外出張が多く定期通院が難しい人は、主治医と相談のうえ購入を選ぶケースもある。


深い眠りが戻ると、体も脳も変わり始める

CPAPは“のどを広げる物理的な装置”なので、正しく使えば睡眠中の無呼吸・低呼吸はほぼ起こらない。

その結果、深い眠りが戻り、中途覚醒や日中の強い眠気が改善する。



さらに、高血圧や動脈硬化の改善効果も報告されている。

重症OSA患者を約10年間追跡した研究では、15%以上が脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患を発症した一方、CPAPを使用していた人の発症率は“健康な人と同程度”にまで抑えられたという。

睡眠の質が、全身の健康を守る力につながることを示す象徴的なデータだ。


ただし“治す”装置ではない──続けることが最大のポイント

CPAPはあくまで睡眠中に気道を広げるためのサポート装置であり、OSAそのものを根本的に治す治療ではない。

そのため、使用をやめれば無呼吸は再発してしまう。


継続して使うことが、効果を最大限に引き出す鍵となる。

ただし、肥満が原因の場合は減量によってOSAが改善し、CPAPが不要になる可能性もある。

生活習慣の見直しと併用することで、より大きな改善が期待できる。


CPAPが合わないときの次の一手──「舌下神経電気刺激療法」という選択肢

CPAPはOSA治療の中心的な方法だが、誰もがうまく使えるわけではない。

眠っている間に無意識でマスクを外してしまう、装着感が気になって眠れない、アトピー性皮膚炎などでマスクが肌に合わない──こうした理由で十分な効果が得られない人もいる。

そのような場合に検討される次の選択肢が「舌下神経電気刺激療法」だ。


“呼吸のペースメーカー”で気道を守る新しい治療

この治療は、しばしば“呼吸のペースメーカー”と呼ばれる。

心臓のペースメーカーと同じように、小さな装置を体内に埋め込み、眠るときにスイッチを入れると、呼吸のリズムに合わせて舌下神経に電気刺激を送る仕組みだ。

舌の筋肉が適切に動くことで、気道が閉じるのを防ぎ、睡眠中の無呼吸を抑える。

マスクを使わないため、CPAPがどうしても合わない人にとっては大きな助けとなる。


軽症なら“まずはマウスピース”──下あごを前に出して気道を広げる

AHIが20以下の軽症〜中等症の場合、最初に選ばれることが多いのが「マウスピース治療」だ。

下あごを少し前にずらすことで、のどの奥のスペースが広がり、気道がつぶれにくくなる仕組みである。

紹介状を持って歯科医院で作製すれば保険適用となり、比較的取り入れやすい治療法だ。

CPAPほどの装置感がなく、軽症の人には十分な効果が期待できる。


低侵襲で回復が早い新しい手術──「CWICKs2」という選択肢

さらに、軽症のOSAに対しては、千葉氏が考案した「CWICKs2(クイックス・ツー)」という低侵襲手術も2012年から行われている。

従来の手術に比べて痛みが少なく、回復が早いのが特徴だ。


のどの奥を“リフトアップ”して気道を広げる手術

CWICKs2は、軟口蓋(のどの奥の柔らかい部分)に、美容整形のリフトアップで使われる特殊な糸を用いて行う形成手術だ。

のどの内部を引き上げることで、気道の閉塞を防ぎ、いびきや無呼吸の改善をめざす。

対象となるのは、軟口蓋の閉塞や振動がOSAの主な原因になっているケースのみ。

手術自体は1時間ほどで終わるが、全身麻酔で行うため、短くても2泊程度の入院が必要となる。


 
 
 

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