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脳科学的栄養学No.1461

  • 2月23日
  • 読了時間: 3分

脳パフォーマンスは“眠り”で決まる!自分だけの快眠リズムの見つけ方④

◇睡眠不足は“脳のゴミ掃除”を止めてしまう


睡眠が足りない日が続くと、実は認知症のリスクが高まる可能性があることが、近年の研究で分かってきています。

約8000人を25年間追跡した研究((Nat Commun. 2021 Apr 20;12(1):2289.) では、

50歳・60歳の時点で睡眠が6時間以下の人は、7時間眠る人に比べて認知症の発症リスクが30%高いという結果が示されました。


認知症の中でも最も多い「アルツハイマー型」は、脳の中にアミロイドβやタウといった老廃物が長年かけて蓄積することで発症すると考えられています(JAMA Neurol. 2013 Dec;70(12):1537-1543.)。


そして、睡眠とこれらの老廃物には深い関係があることが、複数の研究で明らかになっています。

•   睡眠時間が短い人ほど、脳内のアミロイドβが多い

•   徹夜をすると、血液中のタウが増える

こうした変化は、健康な若い男性を対象にした研究でも確認されています( Neurology. 2020 Mar 17;94(11):e1181-1189. )。


眠っている間に働く“脳の排水システム”

睡眠と脳の老廃物の関係は次のように説明されている。

脳には、**「グリンパティックシステム」**と呼ばれる仕組みがあり、

眠っている間にアミロイドβやタウなどの老廃物を、リンパ液の流れによって排出しています。

ところが、睡眠不足が続くとこの“排水システム”がうまく働かず、

老廃物が脳にたまりやすくなってしまうのです。

その結果、アルツハイマー型認知症の発症につながる可能性があると考えられています。


「長く眠ればいい…は高齢者には当てはまらない」

ここまで睡眠不足のリスクを見てきたけれど、

「では長く眠れば眠るほど健康に良いのか」というと、必ずしもそうではありません。


特に高齢者の場合、“長寝”が逆効果になることがあると指摘されています。


「健康づくりのための睡眠ガイド2023(高齢者版)」では、

成人とは異なり、「床上時間(寝床で過ごす時間)は8時間以内を目安に」としています。

つまり、高齢者は8時間以上寝ないほうが健康的と考えられているのです。


実際、7万人以上の高齢者を対象にした研究では、

8時間以上眠る人は、7時間未満の人より将来の死亡リスクが高いことが分かっています(BMJ Open. 2016 Feb 17;6(2):e008119.)。



さらに、10時間以上眠る高齢者は、5〜7時間眠る人に比べて認知症リスクが2.23倍、死亡率が1.67倍という報告もあります(J Am Geriatr Soc. 2018 Oct;66(10):1911-1918.)。


必要な睡眠時間は人それぞれ。でも“自称ショートスリーパー”には要注意

冒頭でも触れたように、必要な睡眠時間には個人差があります。

2023年の「国民健康・栄養調査」では、

男性の8.5%、女性の10.3%が「5時間未満しか寝ていない」と回答しています。

もちろん、体質的に短い睡眠で問題なく生活できる“本物のショートスリーパー”も存在します。

ただし、多くの自称ショートスリーパーは、単に慢性的な睡眠不足に慣れてしまっているだけなのです。


 「どこでもすぐ寝られる」は危険サイン

さらに注意が必用なのは。

•   「いつでもどこでもすぐ寝られる」は、実は危険な兆候

→ 慢性的な睡眠不足や睡眠時無呼吸が隠れていることが多い

•   週末だけ長く寝てしまう

→ 平日の睡眠不足を“取り返している”証拠

つまり、自分では睡眠不足に気づいていない人が少なくないのです。


 「自分は大丈夫」と思う前に、いま一度ふり返る

「寝不足は慣れれば平気」

「短くても自分は動ける」

そんな思い込みが、じわじわと健康をむしばむことがあります。

一度、自分の睡眠習慣を見直してみることが、

未来の脳と体を守る大きな一歩になります。

 
 
 

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