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脳科学的栄養学No.399 健康寿命を左右する主食の選択、全粒穀物で死亡リスクが下がる⑤

  • 2019年3月25日
  • 読了時間: 3分

◇全粒穀物で死亡リスクが下がった!

2016年には、世界的に有名な循環器系の医学雑誌「Circulation」に、「全粒穀物の摂取が増えるほど、がん、心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中)、そして総死亡率が低くなる」という研究結果が掲載された。

11本の論文、約79万人のデータをまとめて解析(メタ解析)した結果、1日16gの全粒穀物を摂取している人は、がん死亡率、心血管疾患死亡率、総死亡率のいずれのリスクも低下していた。

さらに1日48gを摂取した場合はさらにリスクが低減していることが分かった。

また、同じく2016年には、「British Medical Journal」でも、「全粒穀物の摂取量が多いほど死亡リスクが低く、なかでも糖尿病による死亡リスクは半分程度まで下がる」ことが報告されている(BMJ. 2016;353:i2716)。

 なお、全粒穀物とは、精製していない穀物のこと

穀物の表皮部分や、胚芽などが残った状態で、これらに含まれる食物繊維をしっかり摂取できる。

米であれば、玄米がそれに相当する。

小麦食品でも、表皮や胚芽なども含めてすべて粉にした全粒粉を使ったパンなどが発売されている。

 これらの研究結果を受けて、米国の食生活指針では「穀物の半分以上を、精製していない全粒穀物にしましょう」と推奨している。

近年の様々な研究から、「全粒穀物をとったほうが健康に良い」ことが明らかになっており、世界の潮流はまさにその方向に向かっています。

しかし、近年の日本では主食を減らし、優秀な食物繊維の摂取源である穀物の摂取を減らそうとしている現状に懸念する声も。

繰り返しになりますが、日本人の食物繊維摂取状況を見ると、食物繊維摂取源としての野菜はさほど減っていなくて、近年激減しているのが穀物です

野菜をこれまで以上にたくさんとるのは難しいですが、穀物は、食物繊維を多く含むものに切り替えることによって、食物繊維量をかなり増やすことができます。

穀物から食物繊維をとることにより、腸内細菌叢のバランスが整うと、野菜に含まれるビタミンやミネラルも、より吸収しやすくなり、体で有効に働きやすくなる効果も期待できます。

 確かに、野菜や海藻などに食物繊維が多く含まれているといっても、実際問題、毎日大量にとるのは難しい。

その点、主食は毎日一定量を食べるわけだから、無理せずにとれるのは大きなメリットだ。

食物繊維は、主食からとるのが効率的なのです。

それでは、私たちはどのように主食と向き合うべきなのだろうか。

 会員の中にも、健康診断で血糖値や中性脂肪値がひっかかり、糖質を抑えるように医師などから指導されている人もいらっしゃるかも。

しかし、主食のごはんをただ単純に減らしてしまっては、貴重な食物繊維も減らしてしまうことになる

 ポイントは主食の置き換えにあります。

これまで白米中心だった人は、食物繊維を多く含む全粒穀物に置き換えることをお勧めします

まずは1日1食を、精製されていない穀物を含むものにしましょう。

慣れてきたら2食、3食と増やしていけるとベストです。

具体的な穀物の選び方や食べ方については、また、今後ご紹介していきます。

 肥満や血糖値が気になる人こそ、この方法を試していただきたい。

食物繊維の多い全粒穀物にすると、食後に血糖値が上がりにくくなります(GI値が下がる)。

甘いお菓子や飲み物などを減らしながら、主食を食物繊維リッチなものに切り替えていきましょう。

         ◇         ◇         ◇

 ここまでの説明で、主食の選択、具体的には全粒穀物の摂取が私たちの健康に大きく影響することがお分かりいただけたと思います。

最近では、玄米や雑穀など、様々な穀物を取り入れる人が増えているが、なかでも特に注目が集まっている穀物がある。数ある穀物の中で、なぜそれなのか、次回に続きます。

 
 
 

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